食いしばりの原因

2023/09/28

「朝、起きるとあごが疲れている」「ふと気がつくと、上下の奥歯にグーッと力を入れて噛みしめている」といった経験はありませんか? 心当たりのある方は、“食いしばり”をしていることが考えられるかもしれません。食いしばりとは、歯を強く、きつく噛むこと。運動をしているときや、瞬発的に大きな力を出すようなときに、グッと奥歯に力を入れるあの感じを想像してもらうとわかりやすいでしょう。

そして、この食いしばりが起こる主な原因は、ストレスや緊張と言われています(嚙み合わせ、骨格が原因のことも)。ストレスが原因の場合は、睡眠中に歯を食いしばることで溜まったストレスを解消していると考えられており、緊張が原因の場合は、集中して作業をすることで緊張状態が続き、口まわりの筋肉に力が入って食いしばってしまっているのだそう。

このことから、朝、あごや歯に違和感がある方は、睡眠中の食いしばり。日中、ふと気がつくと歯を嚙みしめている方は、緊張による食いしばりが“無意識的”に起こっていると考えられるのです。しかし、日中に食いしばっている方の多くは、睡眠中にも食いしばっているとも言われているので、食いしばりに心当たりがある方は、昼夜問わず歯やあごに負担がかかっている恐れがあるでしょう。

体重×2倍の負荷がかかる食いしばり… 対策は?

食いしばりをしているときというのは、自分の体重の約2倍もの負荷が歯やあごにかかると言われています。

例えば、体重50kgの方の場合、100kg近くの力がかかっているということになるでしょう。そのため、食いしばりが続くことで、次のような症状を引き起こすこともあります。

食いしばりが続くと、どうなる?

・歯が摩耗したり、欠けたりする
・歯茎が下がり、歯の根元が露出することによって、知覚過敏が生じる
・あごに負担がかかり、痛みが生じたり、口を大きく開けにくくなったりする
・噛みしめるときに使う筋肉の負担から、頭痛、肩こりの原因になる

ですが、そうとわかっても無意識のうちにしてしまうのが、食いしばり…。

日中の起きている時間帯であれば、気がついたときに上下の歯をくっ付けないように離すことができますが、睡眠中はそうもいきません。また、食いしばりの治療は、歯科医院での相談をオススメします。

耳回りには、咬筋・外側翼突筋・内側翼突筋・側頭筋と顎関節につながる筋肉がたくさんあります。食いしばりはこうした耳回りの筋肉や筋肉を包むファシア(筋膜リリース)に大きな負担をかけています。その結果、これらの筋肉が硬くなると、口角が下がったり、耳回りにはリンパ節も密集しているので筋肉が強張ると流れも悪くなります。筋肉の緊張が取れて緩むと笑顔が素敵になるだけでなく目の疲れもスッキリして、唾液腺が刺激されだ液が出やすくなります。だ液には免疫細胞・成長ホルモンなどが含まれています。

耳たぶをかる〜く後ろにくるくるっと回してみて下さい。

yamashita